名付けて「多人格制作法」
CI、いわゆるロゴやシンボルマーク制作では依頼主からお聞きした内容を自分なりに消化して形にしていくことになります。その際多くのラフスケッチを描くことになりますが、まずは鉛筆で思いつくままにできるだけ多くの文字どおりのラフを描きます。これを僕は多人格制作法と呼んでいます。
勤め人時代、多くのデザイナーを抱えていたときは複数人に案を出させることができましたが、今はピン芸人。異なる性格、異なる考え方を持った者が案を出し合う状態を一人でおこなうわけです。これはかつて仕事でご一緒した原田進(ファミマ、パイオニア、東急リバブル、リブロブックス等のCIを手がけた人)というデザイナーの複数のスタッフを使った手法に感化されたものです。
JK、アイドル、アニメ、絵本、文芸モノから多くの企業サイトまで多彩なデジタルメディアに関わってきた僕が、いろいろなデザイナーの役作りをして案出しをしていきます。
最強のクライアントがあらわれる
クレインポートのロゴも同様の手法をとりました。しかし依頼主が自分であるため多少甘くいく感じではあります。まずは鉛筆でガサガサとたくさん描いて、その中から方向性を決めていきます。いくつかの案に絞ってIllustratorで起こします。この時点ではスミ一色です。ロゴは常に色付きで使用できるわけではないからね。同時にフォントの案も出していきます。
こんな感じです。
ここで気楽にやっていた仕事に「女房」という最強(凶あるいは恐)クライアントが参戦します。二人で熟慮を重ねた上、右下の方向性でいくことに決まりましたが、もっと柔らかい感じにしていきたいねということになりました。以降の二人における決定過程はとても長くなるので省略します。実際の仕事でも突如現れる新キャラクライアントに苦労する場合がありますよね。
CranePortの「C」と「P」を組み合わせた意匠は鶴の求愛のポーズを意識したものです。文字部分をもっとデザイン寄りにしてテキストロゴを分離、調整を加えて最終版となります。こうやってみるとテキスト部分は史上最強のブランドロゴ「コカ・コーラ」を意識していたことがわかるでしょ(^^)
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